この国はやはりすごい所で、告発番組が多い。ちょっと前に司会者が射殺されて日本でも話題になった「Crimewatch UK」もその一つ。これは未解決の事件を再現VTRにして、視聴者からの情報をリアルタイムで募るというもの。これだけ書くと「な〜んだ、日本でもたまに2時間特番でやってるじゃん」と思われそうだが、この番組の再現VTRの出来は半端でなく、全て実際の現場ロケ。扱う犯罪も詐欺、暴行から誘拐、強盗まで多種多様。そしてスタジオには実際におのおのの事件を担当している刑事が来ていて、コメントをするという念の入れよう。また、「Watchdog」と言うシリーズでは主に消費者問題を扱って広告の裏の嘘を徹底的に暴く。もちろん出てくる会社は全て実名。
そして、「UK's Worst」である。これは毎週お題を出して、視聴者から「全英最悪の〜」を募り、実際に潜入捜査して「全英最悪のもの」を決定しようと言う番組。これも登場する人物名、会社名、団体名などは全て実在のものです。因みに今までにやったのは「全英最悪のペットショップ」(この回は見逃した)、「全英最悪の宿泊施設」(因みにグランプリはブライトンのGeorge Vホテル)、そして「全英最悪の公衆便所」(グランプリはブリストルにある公衆便所)。因みにグランプリに輝いた所には司会者がトロフィーを進呈しに行く。毎回このトロフィー贈呈がおバカで、ホテルの回は清掃会社の一群を引き連れて行ったものの、管理人が居留守を使ったので皆して外のガラスを拭いて帰ってきていた。今回の公衆便所の回は、グランプリに輝いた便所を管理するブリストル市役所に司会者がターボ便器(オートバイの椅子を便器にしたもの)の後ろに高さ3メートルの巨大カッポンを載せてトロフィーを贈呈しに行く。市役所の前に着くと便所管理の責任者が待っていて、司会者は便器型の椅子の便座をあげて中からトロフィーを出すというオチ。
しかし、世の中ひどいものがあったもので、特にホテルの回は想像を絶するものだった。どのホテルもそれぞれひどくて、管理人のばあさんが客をあしざまにののしるとか、厨房がごみに埋もれていて、そのごみの真ん中に朝食に出てくるソーセージと卵が放置されているとか、大変なのだが、このグランプリを取ったホテルはそれ以上のひどさであった。部屋に入るとカーペットは半分はがれている、枕カバーは洗ってはあるがシミだらけ、窓の外のバルコニーはごみで埋まっていて外が見えない、シャワー室の前の床は腐っているのかふわふわしていて、うっかりすると踏み抜きそう。そしてシャワー自体はと言えばなんとコケが生えている。そのことを潜入した司会者が宿の主人に言うと「それはさびです」の一言。そして極めつけは壁紙がはがれたところをセロテープでとめてあるのだが、それが粘着力を失って、壁紙がダランとぶら下がっている。これはまるで廃墟ですよ。これで客商売をしているのだから呆れるしかない。
でもねぇ、公衆便所に関してはわしゃ日本でいくらももっとひどい便所を見てきました。そりゃ今回ノミネートされた便所はどれも酷いもので、小便器が変色しているわ、個室のドアが無いわ、便座も無いわ、ウンチョスがこびりついているわ、えらい騒ぎなのであるが、それでもねぇ、日本にはもっとひどいところはいくらもある。山の中にあるボットンの公衆便所ですとか、海の家の仮設便所ですとか、んもう想像しただけで「勘弁してくださいで〜す」となりそうなところがいくらでもあるでしょう。そして
ロシアに行けばさらに大変なところがいくらでもあるというじゃないですか。世界は広いのよ。
話がそれたが、こういう番組、国内でもやらないだろうか。日本でこの手の企画を打ってもたいてい「音声は変えてあります」とか、社名にモザイクがかかっていたりとかで、全く告発の用を成していないことの方が多いのよね。こっちでは「全英最悪の運転教官」(前にも書いたように、こちらには教習所と言うシステムが無く、個人のインストラクターに付くのである)と言うのを近々やるそうなので、日本でも「日本最悪の教習所」とかやったら面白いと思いますぜ。あと「日本最悪のバス運転手」とかも面白そう。ひどいのいるからねぇ。まぁ、何しろ面白い番組です。公衆便所の回を食事中に見てしまったのがきつかったっすけど。